「体験しなきゃ分からない」のつくり方
「予定調和は、つまらないですよ!」
ご縁あって、東京で有数の人気レストラン「81(エイティー・ワン)」のオーナーシェフ永島健志さんと対談する機会があり、それならばどんな内容にするか打ち合せようとしたときに言われた言葉です。
永島健志さん
う~む。おっしゃることは分かる、よ~くわかる。でも小心者のぼくは何の準備もしないで百人を超える聴衆の前に出ると緊張しちゃうんだよなぁ。案の定、当日は夜明け前に目が覚め、お客さまに見ていただく映像やパワーポイントの準備もなく、コロシアムのようにぐるりと客席が取り囲む舞台の上でガチガチのドキドキ、対談の幕は開いたのでした。
当日風景
81といえば「カルボナーラの再構築」が有名です。あの著名なパスタメニューを分解し、卵料理として再構築したひと皿。料理の世界には「この素材はこういうふうに調理しなさい」「これをつかうなら、この香辛料で」という「常識」が数多くあります。その一部はもちろん今でも理にかなっているのですが、たとえば鮮度管理の技術が進歩した現在、無駄な「思い込み」もたくさんあるそうで、永島さんはいつの間にか「目の前にあるものを疑い、分解する習慣」がついたのだといいます。
カルボナーラの再構築
海上自衛隊に入隊し、配属をきっかけに料理の世界に入った若者がなぜ、こんな思考をする
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