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育休で見えた、二つの世界

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平日の真昼間、赤ちゃんと

わが家ではいま、乳母車を使っている。いわゆるベビーカーではなくて、クラシカルな、文字通りの乳母車です。そこに娘のコケコを横たえれば、歩いている間ずっと顔を見ていられる。

赤ちゃんの顔って本当に不思議だ。ヒヨコに似ているかと思えば、むしろカタチ的にはヒヨコマメ(※1)に見えたりもする。表情はタコっぽいけどフォルムはたこ焼きっぽい、なんて日もある。

乳母車に揺られるその顔は、僕が塗ったワセリンのせいで、キリンジの名盤「3」のジャケ写(※2)のごとくテカテカと光っている。近所の公園へ向かう途中で思ったのだ。こんなにも誰かの顔をのぞき込みながら歩くことなんて、もうこの先ないんじゃないか?

コケコは、満3カ月。

ちゃんと夜に眠るリズムが整ってきました。おかげで僕や妻も平均4時間は寝られる毎日だ。母乳のトラブルはなくなりつつあるし、体重も順調に増えている。僕の料理は相変わらずもたつくのだが、片栗粉の使い方には慣れてきた。そう、ちょっと余裕ができてきたわけです。育休生活3カ月目にして、面白さが過酷さを追い抜く「黒字転換」。ここからが楽しいところだ。

「平日の真昼間 子供と散歩に出かける 父親が押すベビーカー 気づけばそんなに見かけない」というのはYO-KINGの歌(※3)だが、そうそうこれ、これがやりたいのである。

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