イノベーションは管理からではなく、対話から生まれます
前回は顧客との対話について言及しましたが、今回は組織内の対話について触れたいと思います。つまり、あなたにとって最も身近な同僚や上司・部下との対話の在り方についてです。
本コラムは三つのパートで構成されています。
■組織構造のパラダイムが変わろうとしている
■ホラクラシー経営って知ってますか?
■あなたから対話を始めよう
組織構造のパラダイムが変わろうとしている
組織内の対話を扱うに当たって、組織構造のパラダイムが今日、歴史的な変容期を迎えていることに触れておきたいと思います。
これまでの日本の企業、行政機関、学校、NPOなど多くの組織は上から下へと指示・命令が伝達されるという中央集権でのヒエラルキー構造によって支配されてきました。
つまり、トップが最高レベルの意思決定を行い、それに従った事業計画がつくられ、それが部門や機能ごとに詳細化されていく。そして、それを中央のコントロールセンターが管理できるようにするためのKPI(Key Performance Indicator 重要業績評価指標)が策定され、PDCAを回していくという皆さんが慣れ親しんだスタイルです。
しかし、VUCA※の時代に突入してこのヒエラルキー構造が、機能不全を起こし始めています。経営者など特定の権威を持つものだけが行う意思決定が、市場や社会の変化のスピード
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