今アメリカ企業にオフィス移転の動きが次々と見られている。これは完成間近とされるサンフランシスコのセールスフォース本社や、クパチーノにあるアップルパークだけに留まらず、General ElectricやMarriott Internationalといった歴史ある企業にも共通している。彼らは社員のコラボレーションやイノベーションという要素以外にも目的としているものがあるようだ。
今回は事例とともに、アメリカの企業がオフィスを移転する3つの理由を紹介する。
1. 人材発掘のためのロケーション
日本ではオフィスをアクセスの良い駅に構える、駅近に置く、また大通り沿いに構える等、通勤や営業活動のしやすさが考慮される傾向にある。しかし、国土の広いアメリカにおいてロケーションに求めるものは別にある。それは人材の発掘である。
アメリカでは現在多くの企業が都市部に集中する傾向が高まっている。その背景について、ブルッキングス研究所と都市社会学の専門家であるリチャード・フロリダの分析によると、学生の卒業後の動きと関係があるようだ。
そのレポートによると、ニューヨークでは学生の74.2%が卒業後もニューヨーク市周辺に留まるとのこと。その他にもシアトル、デトロイト、ヒューストン、アトランタ、ダラス、ポートランドやシカゴと優秀な大学が集まる都市で、卒業生の70%以上がその地域周辺に残ること
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