きょうの選挙はあいにくの台風で、小池百合子氏の逃亡した希望は惨敗、プチバブルだった立民も50議席がせいぜいだろう。それより問題なのは、日本の政治にまともな選択肢がないことだ。8月の記事の図を更新すると、今の対立軸はこんな感じだろう。
日本には小さな政府を指向する保守政党がないという傾向は、今度の選挙の公約でますますはっきりした。消費税を予定通り上げる(一部は流用する)自民党と、それに全面的に反対する野党という対立は、世界的にみると珍しい。アメリカでも医療保険や減税をめぐって対立が繰り返されているように、大きな政府か小さな政府かが主要な対立である。
日本でそういう対立が成り立たないのは、国債発行の歯止めがなくなったからだ。今までは社会保障支出の赤字を「社会保障関係費」と称して一般会計で埋め、それを国債でファイナンスすることによって給付を増やすことができた。社会保険料の負担も増えて税を上回ったが、「痛税感」がないので政治的には容易だった。
しかし状況は変わりつつある。厚生年金の事業者負担は、法人税を払っていない赤字企業にもかかるので財界の反対が強まり、厚生年金保険料の増加は18.3%でいったん止まる。今後は健康保険や介護保険の負担が大きくなるだろう。日本は国民負担率が6割を超える世界最大級の政府になるのだ。
社会保険料が上げられなくなると増税しかないので、現実には小さな政府という選択
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