生活者は変わる、のか。
アートディレクターの工藤章子さんは将来の2拠点生活を目指して八ケ岳のふもとにも家を持ち、森の暮らしを満喫しています。それがうらやましくて、うらやましくて、今年の夏、お邪魔しちゃいました。以前このコラムでもご紹介した「ひまわり市場」で買い込んだ新鮮な野菜を持ち込んで料理をつくり、それをさかなに地ビールや甲州ワインを堪能。身も心もとろけちゃいました。
さて。章子さんといえば「わたし、『台風クラブ』を見ても、正直ピンと来ないんです」のひとことが忘れられません。
「台風クラブ」とは相米慎二監督の映画(1985年)。当時から工藤夕貴さんのファンだったぼくは、完成の知らせを聞いた後もなかなか公開日が決まらず、やきもきした覚えがあります。その後しばらくして、第1回東京国際映画祭のヤングシネマグランプリを受賞。「大人から抑圧されて鬱屈した気持ちを、台風をきっかけに爆発させる」というその内容は、当時十代だったぼくの心をつかんだだけでなく、普遍的なテーマとして時代を超え、広く世界からも愛されている…と信じて疑いませんでした。
ところが章子さんいわく「大人からの抑圧って、正直あまりピンと来ないんですよね。それよりわたしは『桐島、部活やめるってよ』(2010年)ですよ」。なるほど「桐島」は生徒同士のスクールカーストと同調圧力を描いています。そこに
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