就業中や通勤中に社員がケガをしてしまう、というのは、ままあることです。外出が多い業務や、そもそも危険な作業に携わる方々にとってはもちろんですが、デスクワーク中心で危険とは一見無縁の職種であっても、日常の行動には思わぬ事故のリスクが潜んでいるものです。
社員が仕事中や通勤途中にケガをしてしまった場合、労災保険というものが思い浮かぶと思います。では、この労災保険はどのような場合に、どのような給付が受け取れるのかご存じでしょうか?
よくある具体的なシチュエーションを交えながら解説します。
労災保険の対象となるもの
具体的なケースを見ていく前に、そもそも労災保険は誰の何を対象としているのかについて確認してみましょう。
労災保険は、仕事中・通勤中の出来事が原因で生じた病気、ケガ、障害や死亡を対象とする保険です。通勤途中であっても労災保険適用になる、というのは意外と知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
ちなみに、社員が加入している健康保険は業務外で使うものになるため、仕事中・通勤中は労災保険、プライベートでは健康保険という区分になります。その対象は「雇われて働く人全て」となっており、これに該当すれば、とくに加入手続きをしなくとも自動的に労災保険の対象となります。たまに「うちは労災保険に入ってないよ」と言う社長もいますが、人を雇っている時点で強制的にその会社も労災保険の対象とされる
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