9月の新学期とともに校内の雰囲気が変わった。見慣れた旧4年生が去り、新顔の新入生がどっとあふれた。隣接する敷地に広東省・イスラエル理工大学が開校したのに合わせ、周囲の店舗はみな看板を統一し、英語名も標記するようになった。同大の新設は、汕頭大学の創始者である李嘉誠氏が誘致した国家プロジェクトである。科学技術振興の国家目標を担う人材育成が期待されている。
キャンパス内には、「第19回党大会を祝う」と書かれた巨大な看板も登場しているが、目を向ける学生はいない。2000キロ以上離れた首都・北京で行われる政治イベントは、南方の学生たちにとって、距離以上に縁遠い話である。
むしろ目を引くのは、今期からお目見えしたシェア自転車の小さな広告だ。
中国では、どこでも乗り捨てられるシェア自転車の市場が急速に拡大し、企業の新規参入が相次いでいる。携帯さえあれば時間制で利用でき、格安なので若者に人気だ。そこで新入生をターゲットにし、かごに「入学歓迎」のプレートを付けたシェア自転車が大学内に登場した。大した商魂である。
市場規模の大きい中国は、シェアリング経済にとって格好の実験場だ。すでに、携帯のアプリを活用し、自家用車をタクシーに転用するビジネスはすっかり定着した。お金のある学生は、街に出るにもこうした「白タク」を頻繁に利用している。
中国のシェアリング自転車も、米国のフェイスブックと同様、大学生の起業
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中国の政治を理解するための視点⑦
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