上場をしているような大企業の決算書をみていると、最後の方に「法人税等調整額」という項目が掲載されています。この項目は一体どんな目的で書かれているのでしょうか?
今回は企業会計と税務会計に関する大枠の仕組みも学びながら、法人税等調整額の内容を学んでいきましょう。
企業会計と法人税のズレ
企業活動を通じて利益が獲得された場合、その利益に対して法人税や住民税、事業税等といった税金が課されます。この課される割合を実効税率と呼びます。今回のコラムでは細かい説明を省きますが、現在の日本において、この実効税率は概ね30%くらいに設定されています。
それではここで、具体的な税金計算をしてみます。
ある企業において、1年間で100億円の利益が計上されました。実効税率を30%だとすれば、課税額は30億円のはずです。
ところが実際に税金の計算をしてみると、なぜか納税額が42億円になってしまいました。
利益と実効税率から計算した税額と12億円もの差が生じています。
どうしてこのようなことが起こってしまうのでしょうか?
ここで理解をしなければならないのが、企業会計と税務会計の違いです。
実は「会社の決算書を作成するための企業会計」と「税金の申告書を作成するための税務会計」では、資産、負債、収益、費用、資本といった項目の認識について、色々なズレがあるのです。
このズレは様々なものがあるのですが、今回は2つ、具
コメント