アイデアにも、国籍がある
“SOMEWHERE BETWEEN LIES AND TRUTH LIES THE TRUTH”
(うそと真実のあいだのどこかに、真実がある)
これは先日ベネチアでみたイギリス人アーティスト、ダミアン・ハーストの個展「Treasures from the Wreck of the Unbelievable」のなかの言葉だ。広告会社Saatch&Saatchの創業者Charles Saatchに見いだされたことと関係あるかどうかは分からないが、ダミアン・ハーストの作品はいつでも広告的で面白い。
今回の個展では、インド洋の海底から2000年もの時を経て発掘したとされる200点を超える大小さまざまな秘蔵品を展示。2000年もの時を経ているのだから、ジュエリー、大理石の像、よろいなどにはサンゴやコケが美しく付着し見るものを圧倒する。しかし、展示が進んでいくと、その中にはミッキーマウスの形状をした銅像も含まれており、観客はどこまでが真実でどこからが虚構なのか、その曖昧な境界線に混乱してくるという仕掛けだ。あふれる情報のなかで、その真偽を判断することなく情報の波にのまれている私たちにとって示唆に富む個展であった。
毎日イギリス人のアイデアに埋もれ四苦八苦している自分からすると、この展示が、
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