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ウェブアクセシビリティを推進するオーストラリアに学ぶ

世の中選挙一色だが別の話題。オーストラリアはウェブでのアクセシビリティ配慮に熱心な国である。根拠となる法律は障害者差別禁止法で、同法の枠組みの下で政府が実行すべき戦略を政府人権委員会が2010年に発表している。それが「Web Accessibility National Transition Strategy」である。これによって、政府のウェブコンテンツは4年以内にウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン第2版(WCAG2.0)が定めるレベルAAに準拠することになった。また、戦略の実施について連邦政府・各州政府それぞれのCIO(最高情報統括官)が責任者として指名された。
WCAG2.0は民間団体W3C/WAIが作成した技術基準だが、その後、国際標準化団体ISOで追認され国際標準になった。わが国でも和訳がJIS X8341-3として日本工業規格である。WCAG2.0は技術基準をレベルA、AA、AAAに分け、レベルAは守らなければ多くの利用者が迷惑する基本的な基準、レベルAAAは高度な基準とされ、レベルAAが準拠の目標として通常設定される。
2000年シドニーオリンピックの公式サイトから情報を取得できないとの申し立てが視覚障害者Bruce L. Maguireから人権委員会に出された。申し立ての根拠は障害者差別禁止法である。人権委員会は組織委員会に直ちにサイトを改修するよう命じた。

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