米朝間で外交ルートを通じて対話が行われているという。ティラーソン米国務長官が北京での記者会見で明らかにした、その直後、国務省報道官は、「対話は難しく、成果をもたらしていない」という趣旨の声明を明らかにした。北側が米側の非核化要求に応じないからだ。非核化と制裁緩和という取引では平壌が快諾することがないだろう。北側の要求は核保有国の認知であり、米軍の朝鮮半島からの撤退だからだ。
▲法王批判派に対話を提案したパロリン枢機卿(バチカン放送独語電子版から)
と、ここまで書いたところで、バチカンから興味深い記事が流れてきた。ピエトロ・パロリン国務長官がフランシスコ法王批判者、聖職者と対話する用意があると明らかにしたのだ。米朝間の対話ではないが、このバチカンと法王批判派との対話も容易ではない。ひょっとしたら、米朝間の対話よりはるかに困難かもしれないのだ。
その理由を少し説明したい。先ず、フランシスコ法王と法王批判派の対立の経緯を復習する。
事の発端はフランシスコ法王が2016年4月8日、婚姻と家庭に関する法王文書「愛の喜び」(Amoris laetitia)を発表した時だ。256頁に及ぶ同文書はバチカンが2014年10月と昨年10月の2回の世界代表司教会議(シノドス)で協議してきた内容を土台に、法王が家庭牧会のためにまとめた文書だ。その中で「離婚・再婚者への聖体拝領問題」について、法王は、「個々
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