マルチ・ステークホルダーとの対話
本コラムは次の三つのパートで構成しています。
■なぜマルチ・ステークホルダーとの対話が必要なのか
■「週刊ニュース深読み」に見るマルチ・ステークホルダー対話
■会議の場にいない人の立場に立ってみる
なぜマルチ・ステークホルダーとの対話が必要なのか
このコラムではビジネスにおける「対話」の大切さについて触れていきますが、「対話」の相手とは、どこからどこまでを範囲とすればよいでしょう。ある問題の解決策について対話するとき、誰をその場に呼んでくればよいのでしょう。
それは、その問題をどのように捉えるかによって決まります。「ここが問題だ」というふうにある部分に原因を特定してそこに手を打とうとする場合、場に集う人は、その問題の事情に詳しい専門家、手を打つときにパワーを行使する権威を持つ人、そしてその実行を担う担当者たちです。これは、会社の経営戦略会議、行政機関の有識者会議など、私たちがいつもやっている「議論」のやり方です。
そこで打たれる対策は、「人ごと」という分断が発生しがちです。命令や助言をする人は実施のプロセスに関わることはなく、実行する人にとっても「誰かが決められたことだから」という人ごとです。あなたの組織で、誰かが決めた経営戦略が現場に浸透しないのも、ここに理由がありそうですね。
「対話」の手法では、「問題」の
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