顧客行動の変化やテクノロジーの発展により、生活者と企業との接点が多様化する昨今、”オムニチャネル”という言葉が様々な捉え方をされて広がっている。一方で、その定義を明確に理解している方は少ないのではないか。オムニチャネルとは何か、マーケティングとの違いは。カメラのキタムラ、ローソンでオムニチャネルの最前線に携わってきた逸見光次郎氏に話を聞いた。
――それではまず、逸見さんのご経歴を教えていただけますでしょうか。
ファーストキャリアでは三省堂書店に入社し、店舗で本を売っていました。当時でもたしか55万点の本が流通していましたが、書店にある本の数は8~10万点あれば良いほうで、ほとんどの本が書店では見る事が出来ないという現状でした。さらに当時の検索はインターネットではなくイントラネットだったので、店頭でしか検索ができませんでした。しかもカタカナ入力です(笑)。そのうえ、有料検索だったので、それだけ本は捜しにくいものでした。そのような背景もあったので、ネット上にデータベースを載せて探しやすくして、本を販売したら面白いだろうな、と漠然と考えていました。
その後、ソフトバンクがインターネット書店を立ち上げるという募集広告を偶然見つけたことをきっかけに、ソフトバンクに入社しました。それが今のセブンネットショッピングです。そこでは鈴木康弘さんの下で働かせていただきました。売上は100億円を超え
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