自分にピッタリの仕事って?
就職先が決まった学生の中には、「本当にこの会社でよかったのだろうか?」「自分のやりたいことはもっと別のことではなかったか?」といった疑問を持ち、中には深刻に悩む人もいるようです。
パスカルの代表作「パンセ」には以下の記述があります(「パンセ抄」鹿島茂編訳)。
一生のうちで一番大事なのは、どんな職業を選ぶかということ、これに尽きる。ところが、それは偶然によって左右される。習慣が、石工を、兵士を、屋根葺き職人をつくるのだ(断章97)
「偶然によって左右される」という部分は、私の胸に深々と突き刺さりました。
詳細は以下の過去の講演音声をお聞きいただきたいのですが、1980年10月4日が雨降りであれば、私は間違いなく長銀ではなく東京海上に就職していました。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=kYu2gh_pQHI?start=2878&feature=oembed&w=500&h=281]
私に限らず、就職に際して、ほとんどの人たちは「偶然によって左右される」のでしょう。面接官の当たり外れはその最たる例です。かくして、パスカルの説く「一生のうちで一番大事なこと」は偶然に左右されてしまうのです。
しかし、「パンセ」には次の記述もあります。
人間は、屋根葺き職人だろうとなんだろうと、生まれつき、あらゆる職業に向いている
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