Effectuation(エフェクチュエーション)という言葉をご存知だろうか?これはバージニア大学ダーデン経営大学院のSaras Sarasvathy教授が提唱している理論で、27人の創業者へのインタビューからその成功に関わる行動パターンを導き出して理論化した起業家的な問題解決アプローチのことである。
ここ数年日本でもCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)の形態だけでなく企業が主催するアクセラレータープログラムのフォーマットなど大企業とスタートアップの連携はますます増えてきているが、実際にはまだうまく成果が出ていない所も多いのではないだろうか。今回はこの考え方を参考に、改めて大企業が新しいイノベーションを生み出すために必要なことを考察してみたい。
大企業にありがちな目標設定型アプローチ
何かモノゴトを進めていく際に、はじめにゴールを設定しそのゴールを達成する手段を検討していくいわゆるMBA的なアプローチが一般的になっているが、企業においても例えば中期事業計画を作成する際にまずは売上の達成目標を定めてその実現方法を検討していくというようなやり方が多く使われているのではないだろうか。
Sarasvathy教授によるとこのようなアプローチはCausation(コーゼーション)と呼んでおり、ある程度未来が予測可能な領域においては有効だが、不確実で未来が予測できな
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