フェニックスでの支持者集会で声援に応えるトランプ大統領(公式Facebookより:編集部)
トランプ大統領は22日、アリゾナ州フェニックスで開かれた支持者の集会で、米国はおそらくある時点でNAFTAを終了させることになるだろうと述べるとともに、政府を閉鎖しなければならなくても、壁を建設すると述べた。これらの発言を受けて、23日の米国株式市場は下落し、米債は買われ、リスク回避の動きとなった。この発言がどうしてリスク回避の動きとなったのかを整理してみたい。
議会は今会計年度が終了する9月末までに、新年度の歳出法案を成立させなければならない。しかし議会で合意が得られない場合には、つなぎ予算案を承認しつつ、新年度の本予算の協議を続けることになる。新年度予算案を審議する期間は少なく、今回のそのケースとなる可能性が高い。しかし、つなぎ予算と本予算のどちらも折り合いがつかないとなれば、政府機関の閉鎖という事態が発生する。
ムニューチン財務長官やポール・ライアン下院議長などは「連邦政府機能の一部閉鎖」という事態は発生させないと主張しているものの、今回のトランプ大統領の発言により、政府閉鎖の可能性が現実化しつつある。
トランプ大統領は選挙公約にメキシコ国境の壁建設を掲げていた。ところが2018年度の歳出法案には、メキシコ国境沿いの壁建設費用は含まれていない。上院(定数100)での可決には60の賛成票
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