先週号の「Science Translational Medicine」誌に「Direct detection of early-stage cancers using circulating tumor DNA」(早期段階のがんでも、血中を流れているがん細胞由来のDNAを利用して検出できる)というタイトルの論文が掲載された。
このブログでも繰り返して述べているが、がんを治癒させる最大の切り札は、早く見つけることだ。元外科医というのではなく、科学的にも、外科的切除は固形がんに対して絶対的なエースだ。第1・2期の段階で見つければ、多くのがんでは非常に治癒率が高い。また、再発を超早期(CT検査やMRI検査で検出しにくいレベル)で診断でき、その段階で治療を開始すれば、「再発がんは治癒できない・しにくい」という固定観念を崩すことができると私は信じている。
しかし、簡便な手法で、比較的安価にがんをスクリーニング方法は確立されていない。この論文は、リキッドバイオプシーと呼ばれる方法で、がんのスクリーニングを行った結果を報告している。方法論自体はたいしたことはないが、大規模例で検討し、臨床応用可能であることを示した点が大きい。著者らは、血漿(血液の液体成分)からDNAを取り出し、それに(がん細胞由来と考えられる)異常なDNAを含まれるかどうかを調べた。血液で診断できれば、検査を受ける人にとっては
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