▲「神は死んだ」と宣言したフリードリヒ・ニーチェ(1882年)
ドイツ哲学者フリードリヒ・ニーチェ(1844~1900年)の「神は死んだ」(Gott ist tot)という言葉は余りにも有名だ。ニーチェはその著書『悦ばしき知識』(Die frohliche Wissenschaft,1882)の中で神の死刑宣言を表明している。ところで、「神は死んだ」という話には後日談がある。その話を紹介する。
ルター派の牧師の家庭で生まれたニーチェは決して神を憎んでいたわけではない。神を探し求めてきた求道者だった。そのニーチェが亡くなった時、彼から死んだと宣言された神がニーチェの墓の前で「ニーチェは死んだ」と呟いたというのだ。
ウィ―ン大学の哲学講義で教授が学生に必ずというほど紹介するジョークの一つだ。「神は死んだ」といったニーチェに、神が「お前が先に死んだ」と答えたというわけだ。
「軽蔑すべき者を敵として恐れるな。汝の敵について、誇りを感じなければならない」と述べたニーチェは、自身が死刑宣言した神に誇りを感じながら、「あなたは死んだ」といったのかもしれない。
ところで、「神は死んだ」というニーチェの言葉は彼のニヒリズムを表していると解釈されるが、むしろ「愛する神」へのニーチェ流の決別の詩だったのではないか。
神学の知識では近代法王の最高峰といわれてきた前ローマ法王べネディクト16世は、「若者たち
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神は答えた。「ニーチェは死んだ」
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