池田信夫氏に聞いてみたい「日銀の出口」
トランプ政権や北朝鮮情勢など、個人投資家を不安にさせる要因が増えてきていますが、それらと並んで日本の個人投資家が注目すべきなのが、日銀の金融政策の行方です。
現在、日銀は年間80兆円を目途に市場から国債を購入するとしています(実際の購入は60兆円程度)。既に発行されている国債の半分近くを日銀が保有し、国債マーケットの流動性は低下しています。このまま今のペースで購入を続ければ、どこかで限界点に到達します。
日銀が保有している国債は、残高が積み上がり、400兆円を超えています(日銀の直近のバランスシートはこちら)。これらは、金利上昇リスクにさらされています。もし、このまま保有した状態で、市場金利が上昇すれば、日銀が保有する国債の価格が下落し、含み損が発生することになります。日銀が実質的な債務超過になれば、中央銀行に対する信任が低下し、円が下落する可能性もありえます。
ところが、経済学者の一部には、このような最悪のシナリオを否定し、財政赤字問題に関して、極めて楽観的な意見を持っている人たちもいます。
どちらを信じたら良いのでしょうか。
過去の経験から言えることは、著名な学者だからと言って、意見を鵜呑みにしてはいけないということ。マーケットの動きは、学者にも予想できないからです。個人投資家としてベストな対応は、想定される複数のシナリオを押さえ、「最善を望みながら最悪を覚悟する」というスタ
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