広告が一番好きな方、お断りします
私たちの業界はコミュニケーションを研究し、それを仕事にしています。日々クライアントと生活者を相手にする一方、一緒に働く仲間たちとのコミュニケーションがスムーズに取れているか、心配になるときがあります。
他社に転職していく同僚を送るたび、つくづくそう思います。10年間一緒に働いてきたコピーライター、5年間苦楽を共にしてきたアートディレクターが辞めていく。もしかしたら、自分のコミュニケーションが原因だったのではないかと反省したこともありました。
後任社員を採用するときも、コミュニケーションの大切さを痛感します。求職者を探すため、大慌てでSNSに投稿したのが次の文章です。
「電通韓国クリエーティブ・チームで次長クラスのアートディレクターを探しています。興味のある方は、ぜひご応募ください!」
送られてきた履歴書はわずか4通。気持ちが伝わらなかったのでしょうね。落ち着いて書き直し、もう一度投稿しました。
「電通韓国クリエーティブ・チームのアートディレクターのポジションに興味のある方は、ぜひ応募してください。私たちと一緒に笑い、悲しみ、楽しめる方を探しています。世の中で広告が一番好きな方は、お断りさせていただきます。世間には広告だけでなく、映画、音楽、小説、美術、旅行など、素晴らしいものがたくさんあるからです。発想力の豊かな方、思いやりのある方にお会い
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