経営者の資質が問われる時代
もう一つの戦略教科書 – 『戦争論』 (中公新書ラクレ) [新書]
守屋 淳
中央公論新社
2017-07-06
「もう一つの戦略教科書 戦争論」(守屋淳著 中公新書ラクレ)を読みました。昨今のニュースで、株式の相互持ち合いが10%を切ったと報じられたことと併せ斟酌すると、企業経営者(取締役等)の人的資質がますます重要になっていることを痛感しました。
私の処女作「男と女の法律戦略」(講談社現代新書)を書くにあたって、守屋氏の「孫氏・戦略・クラウゼビッツ」が大変参考になりました。同書から得たイメージでは、クラウゼヴィッツの戦争論が「1対1の決闘の延長上でやり直し可能」であるのに対し、孫氏の戦略は「ライバル多数でやり直しができない」というものでした。
男女問題に限らず、法廷闘争というのは「1対1の決闘」のイメージがありますが、実際の利益状況は「ライバル多数」と考えるのが妥当でしょう。
男女の離婚問題一つ取ってみても、夫と妻だけの問題ではなく、子供や双方の親、不倫相手、勤務先、共有名義マンションのローンを借りている銀行…等々、利害関係者はたくさんいます。妻が「子供の親権と養育費だけで十分」と思っていても、夫が勤務先をリストラされてローンも支払えなくなり、養育費だけでなくローン債務まで降りかかってくることもあります。一人の相手に勝利して一安心していると、思わぬところから思
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