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【映画評】裁き

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=lnW6WRVjmhI?feature=oembed&w=500&h=281]
インド、ムンバイ。ある日、下水清掃員の死体がマンホール内で発見され、間もなく、年老いた民謡歌手カンブレが拘束、逮捕される。容疑は、彼が歌った煽情的な歌が、下水清掃人を自殺へと駆り立てたという自殺ほう助の罪。不条理にも被告人となったカンブレの裁判が始まるが、弁護士、検察官、偽証をする証人たちが法廷で攻防を繰り返し、やがてインドの複雑な社会構造が浮き彫りになっていく…。
インド発の異色の法廷ドラマ「裁き」。1987年、ムンバイ生まれのチャイタニヤ・タームハネー監督は、インド映画新世代の旗手と言われている、若手監督だ。インド映画といえば、極彩色、歌あり踊りありのマサラ・ムービーというイメージが強いが、本作はまったくテイストが異なる。サタジット・レイ監督のような格調高い文芸ものかというと、それとも少し違う。法廷劇だが、熱血の弁護士が無実の被告のために熱弁をふるったり、ハラハラ、ドキドキの真実の追求といったサスペンス要素も少ない。歌によって自殺ほう助の罪を問われるという理不尽な裁判と、被告をとりまく人々の私生活を通して、インドの法制度の矛盾と、インド社会の複雑な問題を浮き彫りにするという、オリジナリティあふれる内容な

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