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今後の人間の「労働」と活動
過去、テクノロジーの進化による生産性の向上、生産者の増加などによる生産力の増加は消費者の増加と一人あたりの消費力の増加により、ある均衡が保たれ、人間の「労働」は生産の必要条件として、価値のあるものとして捉えられてきた。しかし将来、先に見たような急激なテクノロジーの進化により、人類の消費力を賄うだけの生産力をAIやロボットが担う可能性があるのではないだろうか。そして、人間の「労働」が生産の必要条件とされなくなったとき、人間が担う活動とはどのようなものになるのであろうか。改めてアーレントの考えに触れながら展望していきたい。
まず、本当に「労働」は人間の手を離れるのか。「労働」とは生存に必要な生産活動であり、典型的なのが衣食住に関わる活動である。中でも食物の生産に関わる活動は人間の生存に直結し、「労働」のもっとも基礎的で重要な分野と言える。事実、オートメーション化が進んだ現在でも、人間の活動の関与が大きく残っている分野である。今後、食物の生産に関して、テクノロジーは人間の「労働」を代替するのだろうか。
これまで食物の生産に関して、最大の課題だったのが、画像認識技術が不十分で食物を正確に認識できないということであった。例えば、木になるブドウの状態やブドウの茎を正確に認識することができず、人間が状態を目視し、手作業で収穫してい
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