何かが間違っているような気がする。ニュースフィードは、不愉快で不安になるブレグジットやトランプに関する報道や、広告収益に関する方針に不機嫌な顔をしている若者の写真で溢れかえっている。私たちは大事なことを忘れてしまったようだ。それは、文字の力だ。「新語法(Newspeak)」に関する記述の中で、ジョージ・オーウェルは言葉を操る者こそが世界を操ると綴っている。
「新語法の目的は思考の範囲を狭めることだと気づいていないのか? 最終的には思考犯罪を行うのに必要な言葉さえ存在しないような世の中になろうとしているんだよ。必要な概念は全て意味が限定された一語で表現され、その言葉に付随する他の意味は全て消され、忘れ去られてしまうんだ……このプロセスは僕や君が死んだ後もずっと続くだろう。毎年言葉の数は減っていき、思考の範囲も狭まっていってしまう。だからといって、現時点では思考犯罪を犯す理由や言い訳があるということではない。全ては自制心や現実管理の問題だ。でも、最終的にはその必要さえなくなってしまう……遅くとも2050年までには今僕たちがしているような会話をできる人は1人もいなくなってしまうということをWinston、君は分かっているのかい?」
――ジョージ・オーウェル『1984年』
上記のような世界が現実にならないことを祈っている。今ならそれを防ぐことができるはずだ。神経科学の分野では、人間が新しい
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