学校法人加計学園が運営する大学の獣医学部を今治市に設置する認可をめぐる問題は、2つの点に整理できる。
第1に、獣医学部の新設を認めた文科省の行政判断が正しかったのかという点、第2に、その文科省の行政判断に対して、内閣府・官邸側からの「不当な圧力」が加わったのではないか(或いは、「首相側の意向の忖度」が働いたのではないか)という点だ。
第1の点に関して問題がなかったのであれば、第2の点は、さほど重要な問題ではない。50年以上にわたって獣医学部の新設が認められて来なかったことに問題があったということであり、獣医師の業界の既得権益を保護する岩盤規制の撤廃のためには、ある程度の圧力がかかったり、忖度が働いたりすることも、むしろ望ましいということになる。
しかし、逆に、獣医学部の新設の設置認可の判断に問題があったということになると、なぜ、そのような問題のある判断が、所管の文科省において行われたのか、という点が問題となる。それが、官邸側の「不当な圧力」や、首相の意向の「忖度」によって行われたのだとすると、その背後には、加計学園の理事長が安倍首相の「腹心の友」であることが影響しているのではないか、ということになり、まさに行政が、首相の個人的な意向の影響で捻じ曲げられたのではないかという重大な問題に発展する。
前川氏が、記者会見で、「官邸側から文科省への圧力」の存在を窺わせる「文科省の内部文書」に
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