京呉服を「お誂え」 着物職人を守り育てる 雇われない生き方:VOL.173
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原 巨樹さん(36歳)
(株)二十八/京都市下京区
高校卒業後、防衛大学校に進学。のちに海上自衛隊で3年間の勤務についた。退官後は飲食店に勤めながら、着物を買い集める。呉服店に転職すると、独立するための修業を開始。2014年に起業。店舗なしのスタイルで「誂え」の呉服を販売する。
VOL.172京呉服を「お誂え」 着物職人を守り育てる
着物を守り、職人を守る。
これも国防です
海
上自衛隊で遠洋航海に出た時、トリニダード・トバゴに立ち寄りました。60歳ぐらいの男性に道を尋ねたら、「こっちです、サー」。23歳の私が敬称で呼ばれるなんて。これは制服姿のおかげなんです。自衛隊は3年で退官しましたが、制服には愛着が。
日本人の制服と言えば着物です。民間企業に就職してからは着物を買い集めて、休暇のたびに着物の産地を見てまわりました。でもどこへ行っても聞こえてくるのは、職人の後継者がいない、賃金が安い、未来を見いだせない…。着物の市場規模は最盛期の6分の1です。このままでは日本の伝統の1つが失われてしまう。私はそれが悔しかった。
ならば自分が呉服屋になるしかない。「京ごふく 二十八」は店舗を持たず、お客さまや職人と直接やりとりしています。これならお客さまにはより安く着物をご提供し、職人にはより高い報酬を支払うことができる。
どうして元自衛官が呉服屋に?とはお客さまにもよく聞かれ
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