講師が宮川氏。講演会にて撮影。
「声の通りが悪い」「滑舌がよくない」「自分の声が嫌い」など、自分の声に悩んでいる人は少なくない。私たちは、生まれてきてから育った環境で発声や話し方を身につけてきているが、プロに学んだことがない。では「プロの声」とはどのようなものだろうか。
『どんな人でも好感度アップ! の声の魔法』(青春出版社)の著者である、宮川晴代(以下、宮川氏)は、アナウンサー、司会など、声のプロとして仕事をしている。いまではプロ・アマを問わずヴォイスアップコーチとしての評価も高い。今回は、「がまの油売り」のケースを交えながら表現方法の重要性について解き明かす。
「がまの油売り」を知っているか
――宮川氏は声作りに必要な要素を、呼吸法と発声だと語る。呼吸法と発声を訓練すればある程度の水準には到達できる。しかし、水準を超えたいのなら「声を活かす表現法」を身につけなくてはいけない。
「皆さんは、『がまの油売り』をご存知でしょうか。実際の油売りでは、「さあ、お立ちあい。ご用とおいそぎのないかたは、ゆっくりと聞いておいで!」といった小気味よい導入部のあとに、この口上が続きます。小気味良いリズムを参考にしてください。
“てまえ持ちいだしたるは、四六(しろく)のがまだ。四六、五六(ごろく)はどこでわかる。前足の指が四本、あと足の指が六本、これを名づけて四六のがま。このがまの棲めるところは、こ
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