※写真はイメージです(GATAGより:編集部)
MIT(Massachusetts Institute of Technology)のBroad研究所のメンバーがPrecision Medicine (プレシジョン医療)に関する講演をした。あまりにも抑揚のない話し方に加えて、話の内容が、一般的なゲノム解析と分子標的治療薬選択に関する、どこにでもあるような、目新しさのない話だったので、思わず居眠りをしてしまった。細胞株の抗がん剤に対する感受性(効きやすさ)と細胞での遺伝子発現情報を比較したところ、抗がん剤耐性(抗がん剤が効きにくいこと)とMDR(Multi-Drug Resistance)の高発現との関連が見つかったと誇らしげに話をしていた。感心して聞いていた人もいたが、私は心の中で「そんなもん、40年くらい前に見つかってるやないか!」と大阪弁でつぶやいた。
このタンパク質は、薬剤を細胞の外に吐き出す役割をしているポンプのような働きをしており、これがたくさん作られると抗がん剤を効率よく細胞の外に出すため、薬が効きにくくなるのだ。この講演内容レベルの「がんプレシジョン医療」ならば、日本で体制が構築できれば、簡単に追い越すことができるように感じた。
この講演で一点だけ注目したのは、SNSを通した、患者さんとの直接的なコンタクトを行うネットワークである。一般的には、患者―医師(医療機関)-
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