ブログで100万の秘訣ってなに?
詳しくはコチラ

「弱いリーダー」が軍の暴走を招いた:『自壊の病理』

経済ニュース

自壊の病理:日本陸軍の組織分析 [単行本]
戸部 良一
日本経済新聞出版社
★★★★★

憲法改正についての論議は、戦争についても考え直す機会だ。戦後教育では戦争について何も考えないことを平和主義と考えてきたが、これは過ちを繰り返す原因になる。本書はやや専門的だが、名著『失敗の本質』の共著者が、陸軍の失敗の原因を組織面から解明した論文集である。
軍部の暴走の原因として、よく「統帥権の独立」があげられるが、これは昭和になってできたものではない。明治憲法にも「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」と書かれ、天皇が政府から独立に軍を統帥することが定められていた。それは司法権の独立と同じく政党の干渉から軍を守るための規定であり、当時これを問題にした首脳はいなかった。
日露戦争のころまで、統帥権の独立は戦争の障害にならなかった。伊藤博文などの元老が統帥権を無視して作戦まで口を出し、藩閥が実質的な「統合参謀本部」になったからだ。藩閥の首脳は武士(軍人)だったので戦争を知っており、統治の技術も身につけていたので、明治政府はそれなりにバランスがとれていた。
そのバランスが崩れた原因は、皮肉なことに「大正デモクラシー」で政党の力が強まったことだ。それまでよくも悪くも権力を独占していた藩閥の力が弱まり、軍は政党の協力を得ないと予算が獲得できなくなった。永田鉄山も認識していたように、統帥権の独立は、第1次大戦以降

リンク元

コメント

タイトルとURLをコピーしました