[youtube https://www.youtube.com/watch?v=CMtzL44Mmro?ecver=1&w=560&h=315]
日銀が量的緩和をやめる「出口」が近づいてきた。黒田総裁は出口についての質問には今までと同じく答えなかったが、9年ぶりに「景気拡大」という言葉を使った。「完全雇用に近い」とか「デフレは脱却した」という表現も従来から使っているので、国債の買い入れを減らす「テーパリング」は近々やるだろう。
問題はその先である。日銀がただちに国債を売却することは考えにくいが、バランスシートが正常化すると金利が上昇し、日銀の保有する国債の評価損が発生する。次の図はBloombergで紹介された藤木裕氏(中央大学)のシミュレーションだが、インフレ目標2%が達成されて長期金利が2%以上になると、日銀は単年度で10兆円程度の赤字になり、20年ぐらい赤字が続く。一時的には債務超過になる。
これ自体は予想されることで、日銀も織り込んでいると思われる。日銀は資産を時価評価しなくてよいので、長期的には金利上昇による収益で埋め合わせることができる。問題は、日銀以外の民間銀行だ。メガバンクはもう逃げたが、地方金融機関は人口減少で収益が悪化しており、長期国債への依存度が高い。
これも20年ぐらいの長期をとれば回復する可能性があるが、自己資本が少ないと債務超過になる
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