【映画評】パージ:大統領令
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年に1度、12時間だけ全ての犯罪が合法化される法律“パージ”。貧困層を排除しようするパージに反対する上院議員ローンと、犯罪率を低下させたパージを擁護する極右政権NFFAが、国内を分裂させていた。パージの是非を問う大統領選が進行中に、運命を左右する新たなパージがスタートする。NFFAから命を狙われるローン上院議員と彼女の護衛を務めるレオは武装集団に襲われる。はたして彼らは悪夢の12時間を生き延びることができるのか…?!
年に1度だけどんな犯罪も許可されるという歪んだ制度が存在する社会を描く人気シリーズの第3弾「パージ:大統領令」。第1作目のイーサン・ホークが早々と降板したせいか、第2作「パージ:アナーキー」ではトーンダウンした感があったが、この第3弾は、幸か不幸か、苛烈な大統領選挙やトランプ政権誕生といったアメリカの現実を反映してしまい、シリーズ最高の問題作になってしまった。非現実的な設定が持ち味だったこのシリーズが、あまりにリアルに傾いたのは、皮肉な話である。狂気の法律パージは、表向きは、国民のガス抜きのためのもの。犯罪は確かに激減したが、真の目的は、富裕層による、貧困層や弱者という経済的負担の排除と、差別主義的な人口抑制なのだ。パージを利用して、政敵を
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