2015年9月25日の記事の再掲です。(GEPR版)
越智小枝
相馬中央病院 内科診療科長
福島の原発事故から4年半がたちました。帰還困難区域の解除に伴い、多くの住民の方が今、ご自宅に戻るか戻らないか、という決断を迫られています。
「本当に戻って大丈夫なのか」
「戻ったら何に気を付ければよいのか」
という不安の声もよく聞かれます。
福島県に努める医師としてこの帰還問題を眺めた時、まず、帰還する・しないという選択は、何の為に、誰の為にあるのか、という事を考えていただきたいと思います。帰還は国益の為でも地域振興のためでもありません。決断を下された1人1人の方が、その決断によって健康にならなければ意味がないのではないでしょうか。
帰還を決められた方、迷われている方が、今後放射能を正しく恐れ、正しく避け、そしてより健康になっていただくために、健康を守る医師という立場から考えていただきたいことが5つあります。
1.100ミリシーベルトは、がんに「ならない」値ではない。
2.0ミリシーベルトは「健康になれる値」ではない。
3.放射線を避け「すぎる」リスクも存在する。
4.帰還時に気を付ける健康リスクは放射能だけではない。
5.帰還することで「以前より健康になる」ことは可能である。
1.100ミリシーベルトは、がんに「ならない」値ではない。
「100ミリシーベルト以下だとがんにならない、って聞
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