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「一強」の何が悪いのか

経済ニュース
朝日新聞の「パノプティコン」シリーズは、ますます意味不明になってきた。けさの記事では経産省が執務室に施錠したことを「息苦しい」と批判しているが、この記者はアメリカ連邦政府に行ってみればいい。各階ごとに空港のようなボディチェックがあり、記者が政府内をうろつくことなんかできない。
この連載は持って回った表現で、安倍首相の「一強」状態をファシズムとダブらせ、「安倍はヒトラーだ」とほのめかしている。シリーズの名づけ親である、元革マルの石田英敬氏は「安倍政権はファシズムだ」と攻撃している。
1930年代の日本を「ファシズム」と規定した(丸山眞男以来の)日本ファシズム論は、問題を逆に見ていた。日本が戦争に突入した原因は「弱い内閣」や「統帥権の独立」で誰も決定権をもたないアナーキーだった、というのが伊藤隆氏の指摘である。
霞ヶ関の権力分立は平和を保つには役立つが、危機に弱い。震災のときの民主党政権を思い出せばわかるだろう。安倍政権は、それに比べればかなりましになった。ところが朝日は「一強」が悪いという。これは(戦前に朝日の応援した)軍部の思想である。北一輝の発明した「統帥権の干犯」という言葉で、軍部は政府を攻撃した。
議院内閣制のもとで、内閣総理大臣に権力が集中するのは当たり前だ。彼の政策が誤っていたら、選挙で政権交代するのが政党政治である。自民党はその意味での政党とはいいがたいが、小泉内閣がそ

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