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色付きから白に原点回帰したトイレの生活史

経済ニュース
「TOTO」と聞けばだれでも知っている。だが発祥の地が北九州市だとは知らなかった。得難い機会なので、北九州市を通じて取材をアレンジしてもらった。参加した女子学生6人はみな今回の訪日で、日本のトイレがどこでもきれいなことに強い印象を受けた。「中国では便器に座れないが、日本では安心して腰かけられる」「こんな高級な便座を公衆トイレに置いたら、盗まれる心配はないのか」と感想を漏らす学生もいた。日本の清潔なトイレ文化を代表する大企業の見学は、願ってもない機会だった。
小倉のショールームで、同社社史資料室の市田和弘氏がていねいに会社の成り立ちから説明してくれた。
--TOTOは今年創業100年を迎える。前身の東洋陶器を築いた初代社長の大倉和親は、欧州の陶製トイレを見て感銘を受け、自分たちが国産化し、やがてはアジアに広めたいとの夢を描く。「東洋」の名にその思いを込めた。だが人々の意識はまだ低く、下水道も不十分。前途は多難で、食器製造での利益を衛生陶器の技術開発につぎ込まざるを得なかった。
便器の環境問題は主として、使用する水の量に集約される。節水技術だ。10年ほど前のトイレは大きなタンクを置き、1回の使用で約13リットルもの水を流していたが、節水のための技術開発を重ね、4.8リットルから現在では3.8リットルにまで減らすことに成功した。どこにあるかわからないほどタンクが小型化されている。

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