Fidor BankのGe Drossaert氏(撮影:加藤康)
Rippleプロトコルを世界で初めて採用し、ビットコインを活用したリアルタイム送金やオープンAPIを備えたFidor OSを提供するなど、ドイツでもっとも革新的な銀行として知られているFidor Bank。2017年2月末に日経FinTechが開催したイベント「Nikkei FinTech Conference 2017」の特別招待講演には、そのFidor BankのGe Drossaert氏が登壇。同行のこれまでの取り組みを語った。
Fidorの歩み
Fidor Bankの創業は2007年。Drossaert氏は「ドイツという成熟した市場の中で銀行としてのポジショニングを確保していくためにデジタルバンクを始めた」と語る。当初、銀行の数が多すぎるという理由でドイツ中央銀行に設立が認可されなかったが、イノベーティブな銀行であることを説明した結果、一転して設立が認可されたそうだ。こうして、デジタルバンクに特化した銀行、Fidor Bankが誕生する。
そんな同行が大きな成長を遂げるきっかけとなったのは2010年だ。リーマンショックに端を発した世界的な金融危機が起こり、既存の銀行の多くが消費者からの信頼を失っていった。それがFidor Bankにとってはチャンスとなった。「金融危機を契機に消費者にフォーカスしたサービスを提
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