教育評論家の尾木ママこと尾木直樹氏の「取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと」という著作を読みました。氏はブログでしばしば憶測を書いては謝罪をしていますが、これが学校教育への誤認ともなるとさすがに怒りがふつふつとわいてきたので、同書の感想を書くことにしました。
日本はイギリスなのか?
教育に競争原理を導入しても子どもの学力は向上しないし、学校の学力レベルも上がらないことは、世界ではすでに“常識”となっています。1988年のことです。イギリスが競争原理を導入した教育改革に乗り出し、子どもたちは競い合うことで、成績のよい子と“落ちこぼれ”に分けられてしまいました。こうした失敗例があるにもかかわらず、いまだ日本では、イギリスの失敗例と非常によく似た教育システムを続けています。(同書P50)
そもそも、日本の学校に競争原理は導入されたのでしょうか。むしろ少子化で、学生を集めるため推薦入試など適切な競争がなされないほうが問題ではないでしょうか。イギリスは階級社会の結果としての学歴社会だし、それを日本にあてはめるのはかなり無理があると言えます。
教師の善意も悪意に見える
いまどきは、「お子さんは理解がおそいようなので、塾に行ってください」と、親が学校の教師から言われるケースも珍しくないそうです。こんなことは教師の責任放棄にほかならないのですが、悲しいかな、こういう言葉を
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