2015年11月14日の記事の再掲。国際的に日本の保有するプルトニウムへの懸念が出ています。余剰プルトニウムは核拡散を防止するために核管理が行われていますが、専門家によると「原子炉級プルトニウム」で核兵器はつくれないとのことです。
元原子力発電環境整備機構理事 河田東海夫
ビキニ環礁の水爆実験
「原子炉級プルトニウムで核爆弾が作れるか?」という議論は過去40年間にわたって何度も繰り返して行われてきた。その結論を一言でまとめれば、核爆弾が広い意味での「核爆発装置」を意味するのであればイエスであり、ミサイルに搭載する核弾頭を意味するのであればノーである。
日本が現在国内外に保有しているプルトニウムの総量は約48トンであるが、そのほとんどは「原子炉級プルトニウム」である。10月23日の朝日新聞社の社説では、その48トンを「原爆6000発分」と表現しているが、これを使えば日本がすぐにでも強大な核兵器国になれるといわんばかりの、きわめてミスリーディングな表現だ。
原子炉級プルトニウムと兵器級プルトニウム
原子炉でウラン燃料を燃やすと、副産物としてプルトニウムができる。はじめのうちにできるのはプルトニウム239(Pu249)という同位体で、核分裂の効率が良く、原子炉の燃料や核爆弾の理想的な原料になる。しかしウラン燃料を長時間燃やし続けると、ほかにPu240やPu241などの高次の同位体が次第
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