この3月11日で、東日本大震災から6年を迎えた。犠牲になった方々のご冥福を、あらためて祈りたい。
あれから6年経った今なお、日本に重くのしかかっていることがある。東京電力福島第一原発の問題だ。
先月には、メルトダウンを起こした2号機にロボットを投入した。しかし障害が多すぎて、目標としていた原子炉圧力容器下には到達できなかった。
国と東電の作った廃炉工程表がある。そこには、2018年に溶けた燃料の取り出し工法を決定するとある。さらに2021年には、1~3号機のいずれかで、溶けた燃料の取り出しを開始するという。だが、先行きはまったく不透明だ。
こうしているあいだも汚染水は出続けている。保管タンクは1000個を超えたが、まだこれからも増えていくのだ。
廃炉費用についても問題は山積みだ。11兆円と見積もっていた廃炉費用は、国が新たな試算を行い、昨年末の時点で21.5兆円と倍増した。
1970年代、僕は原発反対派、原発賛成派を問わず、数多くの人に取材をした。その内容を1976年、『原子力戦争』という小説にまとめた。映画にもなった。
2011年の3.11後も、僕は学者、政治家、原発に関わる企業、可能な限り多くの人に話を聞いた。事故が起きて、日本はもっともっと原子力発電について真剣に考えなければならない、と思ったからだ。
最近になって、原発は「不採算事業」だという言い方がされるようになった。東芝
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