写真は氏家健治シェフ
皆さまは、約500年前のチョコレートの原材料であるカカオの価値をご存知だろうか。驚くなかれ、その価値は宝石に匹敵していた。しかも、当時は上流階級しか食べることができない貴重品だった。そんなミステリアスなチョコレートの歴史をたどってみたい。
今回は、ケンズカフェ東京(東京・新宿御苑前)の氏家健治シェフ(以下、氏家)に、チョコレート業界の歴史について伺った。同店のガトーショコラは、フジテレビ「有吉くんの正直さんぽ」、TBS「ランク王国」、日本テレビ「ヒルナンデス! 」「おしゃれイズム」「嵐にしやがれ」などで紹介されたことがあるので、ご存知の方も多いことだろう。
チョコレートはドロドロした茶色い苦い飲み物
――カカオの飲み物は、中南米のマヤ、アステカでは、上流階級の嗜好品だった。一般の庶民に広がったのはアステカ王国が滅亡し、スペインの植民地支配以降と言われている。
「アステカを支配した、スペインのエルナン・コルテスは、スペインに送る書簡にカカオが現地で珍重されて貨幣と同じ役割を果たしていることを報告しています。同様の手記は、探検家、商人としても名高いコロンブスも残しています。スペインでもカカオが珍重されて利益を得るために商人を経由した上納が続きました。」(氏家)
「次に上流階級の飲み物ではなく、一般庶民にもカカオ飲料を飲む習慣を広めました。カカオは大衆的飲み物になり
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