SpaceXが来年乗員2名を月周回軌道に往復させるという計画を発表して世界を驚かせたのに続いて、NASAがSpaceXのプロジェクトを支援するという声明を発表した。短い声明だが言外の意味は大きい。民間企業の宇宙進出は政府機関の宇宙開発も拡大させる追い風となるようだ。
この声明は、「民間企業に協力することは宇宙の商用利用(という付随的任務)からNASAを解放し、次世代ロケットや宇宙船の開発、月以遠の宇宙の探索という本来の任務に専念することを可能にする」としている。
これはつまり「そこなら行ったことがある!」というたぐいの旅行の自慢話的な任務からNASAを切り離すという宣言だろう。「月? クールだね。なるほど1969年には最前線だった。SpaceXが再訪するというのはけっこうなことだ。初めて行く人は興奮するだろう。われわれは火星や木星に集中できる。惑星探査は素晴らしい任務だが、とてつもなく時間と資金を食う。SpaceXが月に行くのを引き受けてくれるなら素晴らしい」という意味に違いない。
NASAははるか昔から民間企業が宇宙を自由に利用できるエコシステムを建設しようと努力してきた。商用利用の主役が民間企業になれば、NASAは限られた資源を深宇宙の探査に振り向けることができる。実際これがNASAの本来的使命でもある。もっともSpaceXなどの民間企業自身が火星以遠への旅行について興味を示し
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