このごろ「高校無償化」や「子育て支援」など、新手のバラマキ福祉が出ていますが、高校生の子供をもつ親だけにばらまくとか、幼児をもつ親だけにばらまくのは不公平です。子育て支援のお金は親がもらうので、それが子供に使われるか、パチンコに使われるかはわからない。
所得を再分配するなら、すべての国民に非裁量的にばらまくべきです。それがベーシック・インカム(BI)で、カナダやスイスなどで提案されています。これは所得にかかわらず、すべての人に定額のお金をあげるものです。
他方、ミルトン・フリードマンの提唱した負の所得税は、社会保障をやめて税制だけで所得再分配するものです。これは図のように所得税率を(たとえば)一律20%にし、課税最低所得が年400万円だとすると、それ以下の人にはマイナスの所得税つまり税金を還付するものです。日本で議論されている給付つき税額控除も、言葉はまずいが同じ発想です。
BIはすべての人に(たとえば)80万円を一律に支給します。年収50万円の人には生活保護の代わりに差額の30万円を支給し、所得が80万円以上の人からは所得税20%を徴収した上でBIを支給します。年収500万円なら、手取りは80万円+(500万円×0.8)=480万円になります。
負の所得税とBIは、思想的にはまったく違うが算術的には同じで、一律に給付するBIのほうが税務は単純化できます。しかしカナダの一部で行な
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