写真は向谷匡史氏。ブログより。
自殺(自死)は、なぜ、いけないのだろうか。たとえば、キリスト教では自殺は罪悪であるとか宗教ごとに色んな説がある。それらは自殺をめぐる教義的な問題であって「なぜ、自殺してはいけないの?」という、素朴な疑問に対しての答えではない。
この問いに対して、わかりやすい回答があるので紹介したい。『考える力を育てる 子どもの「なぜ」の答え方』の著者であり、浄土真宗本願寺派僧侶、保護司、日本空手道「昇空館」館長も務める、向谷匡史(以下、向谷氏)の見解である。
難しい問題だから真摯に向き合う必要がある
――「実は『いけない』という決まりはありません。子どもに問われてどう答えればいいか頭を悩ませるところです。命をめぐっては、『大切にしなさい』という一語に尽きるのですが、標語のようなことを言っても子どもは納得しないでしょう。ずいぶん昔、ある子供に『なぜ、自殺をしてはいけないの?』と問われたことがあります。」(向谷氏)
「『つらいことがあり、死んで楽になるのであれば、自殺してもいいんじゃない?どうせ人間は死ぬんだから』と、そんな質問でした。」(同)
――向谷氏は、その子どもを「人間の命は、決して自分だけのものじゃないということ」と諭したそうだ。わかりやすく解説したい。
「この答え方には、二つの意味があります。一つは、立場を変えて語ることで、自殺がどれだけ周囲の人を悲しませる
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