イスラエル・ネタニヤフ首相との会談では、イスラエル・パレスチナの「2国家共存」に拘らないなど大胆な外交姿勢を示すトランプ大統領(Facebookより:編集部)
このブログで何度かトランプ大統領を19世紀のアンドリュー・ジャクソンと比較してみることを試みた。だがそれにしても、万が一私が言っていることに何か妥当性があるとして、つまりトランプとジャクソンの間に何らかの共通性があるとして、そのことはいったい何を意味しているのだろうか。
19世紀に「ジャクソンアン・デモクラシー」の支持基盤だったのは、新規に開拓された現在の中西部諸州の開拓者たちであった。ジャクソンは、白人低所得者層の大衆的支持を基盤にしながら、伝統的な東部中心の合衆国のあり方を変えたのであった。トランプが行おうとしているのも、同じような革命的な運動であろう。
このブログでも、19世紀前半のアメリカ合衆国の外交政策は決して「孤立主義」ではなく、拡張主義的であり、排外主義的であったことについてふれた。トランプの「アメリカ・ファースト」もまた、「孤立主義」というよりは、少なくとも「米国中心主義」と呼ぶべき路線で進められていくだろう。トランプの政策が「孤立主義」的に見えるときもあるかもしれないが、全くそうではないときもあるだろう。「孤立主義」であるか否かを基準にしている限り、トランプに限らず、アメリカの対外政策の性格は見えてこない。
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