『損する結婚 得する離婚』
『損する結婚 得する離婚』藤沢数希
まえがき
国際的なビジネスマンや起業家の方たちと話すと、彼らは目まぐるしく変化する世界経済のなかで、いかに稼いでいくか、そしてどうやってリスクを避けていくのか、非常に高い感度で情報収集し、とても深く考えていることに感心する。また、日本や世界の政治情勢に高い関心を示し、規制や税制の変化にもとても敏感である。これほど様々なリスクに関心を払っている優秀な彼らだが、身近にひとつの巨大なリスクを抱えていることに全く気がついていない。そのリスクとは「奥さん」である。
これから話すことは、筆者の友人に本当に起きた話だ。筆者は国際金融の世界でトレーディングなどの仕事に従事し、いくつかの外資系投資銀行の東京オフィスを渡り歩いてきた。彼は以前勤めていた会社の同僚であり、友人だった。中国の理工系大学を卒業してから、やはり外資系金融機関の東京オフィスに就職して、かれこれ10年以上も日本に住んでいる、純朴な中国人の青年であった。日本語も流暢に話した。私たちは、英語と日本語のちゃんぽんでよく会話していた。その会社がちょうど東京でトレーディング・チームを拡張しているときに、私も彼もヘッドハントされて転職してきたので、自然と仲のいい友だちになって、たまに飲みに行ったりした。彼はまじめな青年だったので、あまり女関係の話はしなかった。仕事の話ばかりしていた。
そんな彼が、あ
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