■「おちゃめな一面もあった」?
金正男が死亡したとのニュースは日本国内でも大きな話題になっている。事件にはもちろん驚いたが、さらに驚くのは、その中に「残念」「好きだったのに」「彼なら北朝鮮を変えてくれたかもしれないのに」といった親しみと期待のこもった嘆息が目立つことだ。ある種のネタとして言っているのかなと思ったが、どうやらそうでもなさそうだ。
特に問題なのはプロまでが彼との距離感を狂わされていたのではないかという疑いだ。
まずは朝日新聞。〈絵文字のメッセージ、酒席で日本の思い出 金正男氏を10年取材、記者が振り返る〉と題する峯村健司記者の署名記事。
「正男氏は、かわいらしい絵文字やスタンプも交えながら、私の健康や家族のことをいつも気遣ってくれた」
「話に夢中になって杯が空になると、先に日本酒をつぎ足してくれるのは、正男氏の方だった。接客する女性店員にも冗談を言ってからかう、おちゃめな一面もあった」
この記者は友人になるつもりで金正男に接触していたのだろうか。そんなわけはあるまい。親しくなって情報を得るという手法もあるのだろうし、ここまでの関係を構築できるのは記者として優秀なのだろう。だからこそどうしてそうなるの、と思うのだが、この文章は取材者と取材対象者という距離感をまったく感じさせない。リンク先で全文をお読みいただきたいが、文の結びは正直、「この人、何言ってんの?」というものだ(
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「金正男=愛されキャラ」への違和感
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