就任直後から大統領令に続々とサインするトランプ氏(公式Facebookより:編集部)
トランプ米大統領が就任した。大統領選挙中の過激で攻撃的、ときに自分を美化するがごとき発言はさまざまな物議をかもした。とはいえ就任後は変わるのでは、という一縷の望みも期待はずれのようだ。
前回もトランプ新大統領について語った。ただ、今回も物申さずにはいられない。大統領就任後もトランプ氏はまったく変わることがなかった。彼は大統領令に続々とサインした。その数はなんと12にのぼる。内容は、たとえばイスラム過激派の入国を防ぐための入国審査の厳格化。メキシコ国境の壁の建設など。そして、なによりも見逃せないのが、「TPP離脱」だろう。
TPPの離脱について、今後は日本とアメリカの二国間交渉で進めるのではないか、という見方もある。いずれにしても、基本的にトランプ氏は、「アメリカン・ファースト」を旗印に国内企業を守る、つまり保護主義を掲げていくのだろう。具体的には、自動車産業や農業など、製造業を守っていこうとしているのだ。
トランプ大統領の念頭には、ミシガン州、オハイオ州、ペンシルベニア州がある。そこは「ラスト(rust=さびた)ベルト」と呼ばれる地域だ。このエリアは、かつて自動車、鉄鋼、石炭で栄えたが、いま衰退の一歩をたどっている。こうした国内産業の衰退を止めよう、という狙いがあるのだろう。
しかし、いまのアメリ
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