最近ポピュリズムに関する議論が活発であるが、アゴラ渡瀬氏のトランプ流ポピュリズムを肯定的に見るポピュリズム擁護論と、アゴラ池田信夫氏のハイエクを基にしたポピュリズム警戒論は特に興味深い。というのも、渡瀬氏の擁護論は言うまでもなく、池田氏の警戒論も左派流の政治的に正しい「反ポピュリズム」論とは一線を画しているからだ。ここでは両者の議論を前提に、私のポピュリズム理解を提示したい。
リベラル左派の歪んだ「反ポピュリズム」は今日も健在
まず、ポピュリズムという語が現代西欧でどのように使われているかについて簡単に述べよう。例えば、フランス社会党の予備選挙候補者の一人であるVincent Peillon氏などは先日、今日のフランス在住の回教徒の置かれている立場はVichy政権下のユダヤ人のそれと類似しているなどと述べた。
彼はまさか当時のユダヤ人の一部にユダヤ教の教義を曲解し世俗化したユダヤ教徒を含む一般市民に対する無差別テロを組織的に行なっていたと言いたいのではなく、単純に今日の回教徒は当時のユダヤ人と同程度に何の罪もない人々の集団であり、反回教主義(islamophobe/anti-islamisme)は反ユダヤ主義(antisémitisme)と同程度に唾棄すべきものだと言いたいのだろうが、この発言に不快感を覚えるユダヤ系フランス人がいたとしても何の不思議もない。
つまり、ホロコースト時
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左派によって歪められた「ポピュリズム」の実像
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