じつは、中国から太平洋に飛んでくる「ある生物」が、二酸化炭素濃度の決め手だった…「日本の年間排出量の100倍を海で吸収できる可能性」を握る、驚きのメカニズム
私達の目には見えませんが、空気中には多くの微生物が飛び交っています。こうした空気中に存在する微生物「大気微生物」は人類にとって最も身近な微生物であり、私達の健康にも少なからず影響を与えています。さらに、近年の研究では地球の気候、物質循環、そして生命の誕生と進化にまで大気微生物が貢献している可能性が明らかになってきました。そんな「見えざる小さな巨人」、大気微生物とは一体どんな生き物なのでしょうか? その正体に迫ったブルーバックスの『空飛ぶ微生物』から、興味深いトピックの数々をご紹介していきましょう。世界中に舞っている砂漠からの砂塵。じつは、この砂塵が、海洋の微生物にとっては、なくてはならない“恵み”となっていました。また、こうして恵みを受け取る微生物のなかには、大気中の二酸化炭素を有機物などに変換する炭酸固定(炭素固定)にも大きな影響を与えています。今回は、砂漠からの砂塵と海洋微生物の、意外な関係についての解説をお届けします。*本記事は 『空飛ぶ微生物』 (講談社・ブルーバックス)の内容を、再構成・再編集のうえ、お届けします。 世界中に飛散する砂塵高高度にまで舞い上がった微生物は、風に運ばれ地球規模で拡散します。地球の全大気には10²⁰細胞の微生物が含まれ、その総体積は100m³以上と膨大です。しかも、大気微生物の大部分が流動的に動いており、その影響は広範囲に及びます。 微生物が地球

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