僕が創業した頃の話からはじめようか。1994年、インターネットがまだ産声を上げたばかりの時代。僕はシアトルのガレージで数人の仲間と、オンラインで本を売る小さな会社を始めた。本は種類が無尽蔵で、誰でも欲しがる。ネットの可能性を試すには最高の商材だと思ったんだ。1995年にサイトを公開し、書籍販売を本格化させた。でも、現実は厳しかった。サイトはしょぼく、サーバーはしょっちゅう落ちた。売上は微々たるもので、赤字が膨らんだ。1994年から2003年までの10年間、毎年赤字だった。決算書はまるで僕の夢を嘲笑う数字の羅列。仲間には「いつ黒字になる?」と聞かれ、言葉に詰まった。それでも、インターネットが世界を変えると信じていた。その確信が僕を突き動かしたんだ。投資家たちは、驚くことに僕を見放さなかった。10年もの赤字を突きつけても、彼らは目を輝かせた。「世界最大の書店を作る」と熱く語る僕のビジョンに賭けてくれた。「利益は後でいい、顧客を中毒にする」と言うと、頷いて資金を注ぎ込んでくれた。だけど、本だけでは限界が見えた。続きをみる
Source: Note 起業ニュース
ビジネス・ショートショート「僕が創業した頃の話からはじめようか」。

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